ログハウスやログキット、セルフビルドに関する Q&A

ログハウスについての疑問点etc

これからログハウスをセルフビルド(自作)しようかとお考えのみなさんに、いろいろな疑問解決の参考にしていただければと思います。

1.ログハウスはどのくらい持ちますか?

 

フィンランドで加工するヨーロッパ・パイン材(欧州赤松)は、
ラップランドなど極寒の地でゆっくり育った樹齢80~120年の目の詰まった木がほとんどです。

それゆえフィンランドでは100年以上経ったログハウスもたくさん存在します。

さすがに建物外部に突き出したノッチの部分は腐食がすすむので、
ノッチ部分だけカバーしたログハウスが街中でもよく見られます。

 

古いログハウス

 

とは言え、ログハウスの寿命はログ材の質とメンテナンス次第で大きく変わります。

特に湿気の少ない北海道では、こまめに外部の塗装をしてさえいれば
100年以上は十分、使用に耐えられます。

その他の地域でも塗装などの手入れさえしていれば、同様に使用できるでしょう。

ログハウスも人間や車同様にしっかりと基本的な手入れをすれば、
二世代、三世代はゆうに住み続けられます。

その耐久年数の長さもログハウスの大きな魅力の一つであり、
長く使用できることは 「ログハウスは環境にやさしい」と表現される所以でもあります。

 

2.乾燥でログ材が割れると隙間が開きませんか?

 

ログ壁

 

乾燥などで当然ログ材には多少の割れが生じますが、
マシンカットの場合はログが完全に割れて外が見えるような隙間が開くことはありません。

ただ、割れが気になる方は「無垢ログ」ではなく
「ラミネートログ」をご使用になられるのが良いでしょう。
接着したラミネート材の方が割れやソリは少なくなります。

木材は生き物ですし、セトリングと呼ぶ「沈みこみ」がおこります。
(数センチの沈み込みがあります)

そのため「初期の使い始めから5年位かけてログハウスが本当に完成する」
と考えてください。

 

3.ログハウスは本当に暖かいのですか?

 

ログハウスは、本当に暖かいです。

 

 

一冬をログハウスで過ごされたユーザーのみなさんは必ず
「ログハウスって、暖かいですね」とおっしゃいます。

木材の断熱性能は鉄骨やコンクリートに比べ、はるかに高いからです。

しかも、木材自身の保温効果が高いので、
一度暖まった空気はなかなかさめにくく、真冬でも少しの暖房で寒さは感じません。

また、断熱性能が高くて冬暖かいということは、逆に夏は涼しいのです。

 

4.ログハウスは燃えやすいのでは?

 

太いログは火災でも芯まで燃え尽きることがありません。

もし燃え尽きたとしても、長い時間がかかります。

一般の住宅火災では建物自体の炎上より、
火災で発生する有害物質(化学製品による有毒ガス)による被害が大半です。

有毒ガスを発しないログハウスでは充分ゆとりを持って避難できるのも、長所の一つです。

 

 

5.ログ材を積上げているだけで崩れませんか?

 

構造物としてのログハウスは地震等にも強いことが、
阪神淡路大震災や東日本大震災でも証明されています。

木材を重ねている部分の角や大きな開口部の端には
「通しボルト」という長いボルトを上から下まで通しています。

また、ログ材の重なる部分には「ダボ」という木材の杭のようなものを
一段ずつ打ち込んで建築しますので、
きちんと建築されればとても堅牢な建物として完成します。

 

建築中のログハウス

 

もちろん、素人の施主様によるセルフビルドでも大丈夫です。

 

6.ログハウスはメンテナンスが大変なのでは?

 

ログハウスでは「ログ材」が普通住宅でいう「柱・内装材・外装材」も兼ねています。

ですから他の建築物に比べると外壁の塗装はこまめに行う必要があります。
(3~5年サイクルで)

ログハウスは壁の全てが露出しています。

普通、一般住宅の場合は壁内部が見えないので
内部がどのように傷んでいるか素人にはわかりづらいです。

でもログハウスは傷んでいるところを見つけやすい利点があります。

 

ログハウスの再塗装

 

外壁塗装などはさほど大変な作業ではないので
楽しみながら メンテナンスが出来ると思います。

 

7.シックハウスの心配はありませんか?

 

ログハウスは原則的に全てが天然素材で建てていると考えられます。

シックハウスの原因となるホルムアルデヒドなどの有害物質が発生しにくい
健康的な建築物の代表例でしょう。

 

ログハウスで子育て

 

子供たちの為を考えてログハウスにされるユーザーさんも多くいらっしゃいます。

 

8.街中でもログハウスは建てられますか?

 

ログハウスは確かに、高原や別荘地が似合います。

 

高原のログハウス

 

壮大な山々を望むログハウス、高台にあって海を見下ろすログハウスなど
自然の中というロケーションがログハウスのイメージにしっくりきますし、
そのようなエリアにログハウスを建てたいものです。

しかし、ログ材の持つ建築資材としての優位性を
(シックハウス対策や暖かく&涼しい)
住宅に取り入れたいと考える方がとても多くなりました。

防火規制などでログハウス建築が難しいエリアはありますが、
「防火認定ログ&防火認定サッシ」を使えば建築は可能ですし、
「ログハウスの地震に対する耐久性の実証」などで
建築基準法の改正やログハウスの耐火性能の認知などによっても
最近は総2階建てログハウスや混構造のログハウス
(一部がコンクリート建て、2階がログハウスで建てる等ログハウス)
に関する制約も大幅に緩和されました。

 

準防火地域のログハウス

 

ログハウスでは無理とされていた設計も大幅に緩和され、
あらゆるプランの可能性が広がっています。

シックハウス対策やログハウスは環境に優しいなどの理由、
そして ライフスタイルの多様化や耐火ログの普及で
多くの方が 街中にログハウスを建築しています。

そして、それらのログハウス住宅は一流のハウスメーカーの家と並んでも
全く遜色ありませんし、
ユーザーの個性を反映してより一層光り輝いて素敵に思えます。

 

街中のログハウス

 

「子供たちの健康を一番に考えて」とか「環境に優しい」などの理由で
キートスでも街中にログハウス住宅の建築を希望される方が毎年増え続けています。

 

9.ログハウスの電気配線や水道配管はどうなるの?

 

電気の線は壁(ログ壁、妻壁、間仕切壁)の中を通します。

 

ログの電気配線

 

ログ壁にはあらかじめログハウスプランに従って配線用の電気穴があけられています。

照明器具やコンセントの場所を考えながらログ組み作業を行い、
積み上げた後に電気穴に通線します。

また、間仕切壁やパネル仕様の妻壁は内部を使って自由に配線可能です。

 

給排水の管は、ログ壁の中に入れると破損した場合の交換ができなくなるのと
セトリング(経年変化でのログ材の沈み込み)の影響を受けないように、
原則的に全て床下から配管し、床下に排水します。

 

床下配管

 

10.ログハウスは収納が少ないのでは?

 

「ログハウスは収納が少ない」のではなく
「収納が少ないログハウスが多い」のだと思います。

ログハウスのプランを考える時はリビングやキッチン、寝室といった
主要な部屋を最初に検討します。

それで収納は後回しになったり、
収納スペースをとられるのはもったいないと考えたり、、、
と理由はいろいろです。

 

キッチン収納

 

でも一般住宅と同様に間取り検討の段階から収納方法や場所を考えておけば、
ログハウスでもちゃんと収納スペースが確保できます。

 

11.ログハウスなら結露はしませんか?

 

「ログハウスは絶対結露しません」とは言い切れませんが、
とても結露しにくい建物です。

理由は「木材は呼吸しているから」です。

空気中の湿気が多ければログ材が水分を吸い、少なければ放出し、
人が生活する環境のに相応しい状態を作り出してくれます。

だから「ログハウスは結露はしない」と言いたいのですが、
室内に洗濯物を干したり、加湿器を使ったり、人が多く集まったり、
締め切った室内で鍋料理を楽しんだりetc湿度が高くなる状態を作ると
ログ材や内部木材の水分調節能力を超えてしまう可能性があります。

ログハウスだけでなく一般住宅でも同じことが言えると思いますが、
窓・ドアのガラス面や金属取っ手については寒い冬に結露が生じやすいです。

 

冬の窓

 

また、「木製サッシ窓」や「木製ドア」は良いのですが、
アルミや金属製の窓・ドアを使用するとフレーム部分が結露することがあります。

 

12.ログハウスの冷暖房は、皆さんどうされていますか?

 

ログハウスには「薪ストーブ」がよく似合います。

 

ログハウスには薪ストーブ

 

だから、多くの方がログハウスに薪ストーブを設置されています。

でも薪の確保など簡単にできないことも多いので
薪ストーブ一台で過ごされる方は少ないようです。
(普段は他の暖房器具を利用し、時々イベント的に薪ストーブを使うという方も)

ログハウスは断熱効果が高く、それ以上に木材は蓄熱率が高いので
一度暖まると冷めにくく「朝までポカポカ」とよく聞きます。

ただし仕切られた個室まですべてをリビングのストーブ一台で暖めるのは難しいので
薪ストーブでなくともメインのストーブ一台と
予備として小さなストーブを用意しておくのが良いと思います。

また、間取りにより(テラス窓など開口部が大きくて多い)暖房効率は落ちるので
ログハウスの間取りを検討する段階から冬の暖房についても考えておくのが良いでしょう。

 

夏の冷房に関しては、高原などの冷涼地以外はエアコンを設置する必要はあります。

一般住宅に比べて効率が良いので、小さめのエアコンでも良いと思います。

ただし、いくら「ログハウスは涼しい」と言っても、
最近の猛暑になるとログハウス内部もそれ相応に暑くなります。

吹き抜けのあるログハウスの場合は冷暖房効果をより発揮する為に
天井ファン(プロペラ)や サーキュレーターが大変有効です。

 

シーリングファン

 

13.断熱性能は充分発揮できますか?

 

ログハウスは優れた断熱性能を持っていますが、
天井裏や床下には断熱材の充填が必須です。

 

天井裏には断熱施工

 

屋根裏や床下の断熱をしっかり行わなかったり、
窓などの開口部を大きくとったり、一枚ガラス窓にしたりetc
基本的な断熱性能を損なってしまうような間取りや工事をした場合は
ログハウスの断熱性を発揮できません。

ログハウスの特徴を充分踏まえて間取りを考えたり施工をすれば、
効率よく効果を引き出すことが出来ます。

 

14.完成までの工期はどのくらいかかりますか?

 

ログハウス部材キットを契約し、フィンランドに正式発注してから
現地にログキットが納入されるまで約4ヶ月かかります。

その間に各種届出や基礎工事などを完了し、
ログキット到着と同時にログ組みをスタートさせて毎日作業すれば
建築工事は3ヶ月程で完了できるはずです。

 

ログハウス完成

(工事を開始する時期によっても工期は変化します)

ただし、セルフビルドされる場合はユーザー様の状況によって異なってきます。
(週末のみの作業か、何人で作業するのか、木工などの作業経験はあるのかetc)

ログハウスのセルフビルドに関して不安などありましたら、
遠慮なくキートスまでお問い合わせください。
(TEL 025-233-5005 キートス)

 

15.ログハウスは自由に間取り設計ができないの?

 

土地に関する規制(建蔽率や容積率、隣地との境界線など)や
建築基準法に従わなければならない項目(高さや耐力構造など)はあります。
これは一般住宅であってもほぼ同じです。

それ以外の制約は基本的に無いと言っても過言ではありません。
住む人の希望や生活スタイルに合わせた家を造る・・・当たり前のことです。

いろいろな知恵やアイデアを駆使してしっかり打ち合わせをすれば、
あらゆることが可能になります。

自分達の家を自分達の思いどおりに作り上げるのに何らかの法的規制はあっても
大きな障害はないと思います。

 

16.ログハウスは坪単価が高いですか?

 

キートスでは「坪単価」という概念を排除しています。

小さい家も大きい家も費用が掛かる設備(バスルーム・トイレ・洗面所・給湯器)を
同じようにつけたとします。
その費用を家の広さで割れば、当然小さい家は割高、大きい家は割安になります。
従って、単純に「坪単価」で家を比較することは無意味だと思います。

 

希望の間取り・設備で

 

また、お客様の希望間取りや選ばれる住宅設備機器類、
建築地のインフラ(電気・給水・排水の環境)などでも大きく変わってきます。

元来、この「坪単価」という概念は
建築業者が大まかにお客様に提示して納得させるためにあみ出した
マジックではないかとも思います。

50坪の家の建築見積もりを取った後、改めて25坪の見積もりを依頼したら
先の金額の半分にはならないでしょう。

建築屋さんはある時は坪単価、あるときは総工事費など
臨機応変に使い分けているようです。

特にログハウスの場合、使用するログ材の種類やサイズ&部材量、コンテナ数、
そして建築地の状況などを考慮しなければ総建築費用は計算しにくい建築物です。

では、あらためて質問にお答えしましょう。

「ログハウスの総建築費は高いですか?」
いいえ、ログハウスの建築費は決して高くありません。

ログハウスは部材量が多く、そして価値ある自然素材を使うため
材料費だけを比較すればログハウスは在来工法の家より高いです。

でも、ログハウスは素人でも建てられる家です。

オーナーさんが自分で建築(セルフビルド)することで
ログハウスは総建築費を低く抑えることができます。

 

17.ログハウスは住宅として十分長持ちしますか?

 

ヨーロッパへ行くと古いログハウスが今も使われているのをよく見かけます。
日本でも古い木造建造物はたくさんありますね。

フィンランドでは本来、ログハウスは普通に住む家として普及し、
厳寒の北欧で住環境を充分満たす建物であることこが認知されて
現在世界中にフィンランドのログハウスキットが輸出されています。

キートスのお客様でも最初は別荘としてログハウスを建築し、
その別荘を使っているうちにログハウスの性能に魅せられて
自宅もログハウスに建て替えをされた方も少なくないです。

 

古いログハウスに暮す

 

メンテナンスを怠らなければログハウスは100年、200年と
少なくとも人間より長生きするでしょう。

 

18.ログハウスは住み心地が悪いのでは?

 

「ログハウスは特殊な建物」という概念がよくあるので
漠然と「住み心地が良くないのでは?」と思う方も多いようです。

断熱効果や蓄熱効果が高いログハウスです、
収納スペースや設備機器が希望にそっていれば
決して住み心地が悪いことは無いでしょう。

ログハウスに似合う家具などを心配される方もいらっしゃるかもしれません。

一見、無垢の家具やワイルドな椅子&机がログハウスには似合いそうです。

でもみなさんのログ暮らしをを拝見し、心配は無用だと気づかされます。

 

ログハウスに置く家具

 

高級家具も高級絨毯も、あるいは手作り家具やカジュアル家具も
違和感なくログハウスに溶け込んでいます。

 

ログハウスに置く家具

 

つまり、ユーザーさん個々のライフスタイルに合っていれば、
どんな家具調度品もログハウスと合致してくるということのようです。

 

19.ログ材は乾燥していますか?

 

キートスが扱うフィンランドログハウスの木材における含水率は15%を下回り、
在来の通常木材に比べるとはるかに乾燥したログ材を使用しています。

含水率(木材に含まれる水分比率)が可能な限り10%に近い状態のログ材でないと
施工時のトラブルや後のメンテナンスに影響を与えます。

 

マシンカットログ

 

本来フィンランドの極寒の地で自生するパイン材は含水率が低く、
この点からも最もログハウスに適した材料と言えます。

 

20.ログハウスの再塗装は何年ごとに必要ですか?

 

ログハウスのメンテナンスと言われる部分の大半が「塗装」です。

どの程度のサイクルで必要になるかは、環境(海辺、北海道と九州の地域差)や
最初(建築時)にどれだけ丁寧に塗装したかにより異なります。

建築時は多分足場もあるでしょうから丁寧にたっぷり3回くらい塗装すれば、
その後は4~5年後で良いと思います。

 

ログハウスのメンテナンス・外壁再塗装

 

建築後の長いログハウスとの付き合いの中で、塗装作業は何回か必要になります。
でも再塗装をその都度業者に依頼したらかなりの費用が必要になります。

ですから、キートスのお客様には原則「塗装は自分で」を提案しています。

皆さん「塗装は楽しい」とおっしゃいますし、奥様方も塗装のプロになっているようです。

「誰でもできる簡単な塗装を、他人にお金を払って頼むのはもったいない」とも話されています。

極端な考え方ですが、「自分のログハウスの塗装もやる気が無いのなら、
ログハウスを建てることそのものもやめた方がいい」と言えるかもしれませんね。

 


他にもご質問がありましたら、お電話などで気軽にお問い合わせください。

ログハウスのキートス|セルフビルドを応援するログハウスメーカー