4.スロープと寝泊まり小屋


スロープ造り


ログハウスを建てる場所は、景観を一望できる「斜面のテッペン」と決めていました。

そこまでのアプローチをすべて階段にすると年老いた時に大変なので、途中までスロープにして車で上がれるようにすることにしました。

ネットで業者さんを探し、片っ端から連絡をしてみましたが、前年起きた台風被害の復旧工事でどこも忙しく、請け負ってくれる所がなかなか見つかりません。

そんな中、漸く請けてくださる業者さんが見つかりました。

実はこれが運命の出逢いで、この後のログハウス建築にも大きく関わってくる方との出逢いでもありました。




「擁壁を1からセメントで作ると高額になるので、工事にて余ったセメントを型に流して固めたブロック(ホウカイブロックと言うそうです)があるので、それを利用しましょう!」と提案していただきました。




スロープが完成して傾斜の上り下りが楽になり、スロープの上に駐車スペースも完成!




見積金額も大変良心的でしたので、寝泊まり小屋の基礎もお願いしました。




「将来ログハウスを建てる時にもよろしくお願いいたします!」
とお願いしたところ、
「何時でも夢のお手伝いをさせて頂きますよ!」
と嬉しいご返事を頂き、更に
「この地を是非好きになって下さい!」
と心温まるお言葉まで頂戴しました。


宿泊用ミニログの建築


宿泊用の小屋は、セルフビルドの予行練習にもなるし、ログハウス完成後も利用出来るようにしっかりしたモノを作る事にしました。

広さは、建築確認が不要な10u未満に抑えるため、6畳程です。

基礎の束石を置く部分を木枠で囲い、セメントを流して束石をしっかり固定しました。


 

土台の木材を組み、べニアを並べ、その上に断熱材を貼っていきます。


 

最後に上からコンパネを貼れば、床部分が完成!

壁は、ホームセンターで購入した2x4材をログのように組み上げる構造です。




ノッチになる部分を線引きして、丸ノコで切り込みを入れます。


 

切り込みを入れた部分をノミで切り落とし、その部分のバリを木工用ヤスリで軽く削り、防腐&防水目的で塗装。(塗装担当は妻)

あとはひたすらログを積み上げて行くだけです。

ログを積み上げる前に、雨対策のために重なる部分にコーキング材をタップリと盛っておくことにしました。

このコーキング担当は妻です。

普通のコーキングガンだと、握力のない女性では筋肉痛になるほど握る力を必要とするため、妻は自分の小遣いを叩き"バッテリー式の電動コーキングガン"を購入。

「これで1日でも早く屋根の下で横になって眠れるなら、安いものよ!」




そんな訳で、積み上げ作業は順調そのもの!

但しログが高くなるにつれて風通しも悪くなり、更に真夏の強い日差しが厳しくなったため、中に日除けタープを設営する事にしました。

これがGOOD!
タープの下に入ると木の香りが漂い、休憩時間のひと時は優雅な気分に浸れました。




窓は行きつけのホームセンターで取り寄せて貰いました。

窓の取り付けは初めてでしたが、窓枠も設計通りのキッチリサイズになっていたため、思った以上に簡単に出来ました。

ドアは2x4材を並べただけの簡易的なモノで、鍵を付けるための加工が少し大変でしたが、取り合えずドア取付も無事に完了しました。

屋根部分に2x4材とコンパネを仮止めしてブルーシートを被せれば、仮屋根の完成!




ついにこの夜、ミニログにて初のお泊り〜

充電式LED灯を天井から吊るして灯りにすれば、ミニログ内で夕食からの宴会までも出来ちゃう!

「今夜は足を延ばして横になって寝られる〜」とテンションはMAX!

因みにミニログの中では新品のブルーシートを敷き、その上に車中泊で使っているマット代わりの座布団を敷いて寝袋に包まって寝りました。

まだ少し見栄えは悪いですが、木の香りがプンプンする中で最高の眠りに就いたのは言うまでもありません(ZZZzzz・・・)

さて、これから来る台風シーズンに備えて早く屋根を付ける必要があります。

新型コロナの影響により木材価格が倍以上に跳ね上がっていたり、一度に購入できる木材本数が制限されていましたが、いつものホームセンターで工夫しながら材料調達。

それにしてもコロナの影響が木材にまで及ぶとは・・・

唯一、値上げ前に大部分の木材が購入出来ていた事、それだけは救いでした。




垂木はクロス部分に切り込みを入れるなどの加工をしてから取り付けました。

その上にコンパネを仮止めして、漸く仮屋根でない状態にてミニログの中で宿泊する事が出来ます。




電気工事には釣り仲間が来て屋内配線をしてくれました。

(因みに、工事のお礼は「ログハウスが完成したら、釣りでこちらに来た時は何時でも利用して下さいね!」という事で・・・)

屋根材は、道具小屋にも使った「クラッシックシート」。




「高い防音性&断熱性を持ちながら、素材のパルプにコールタールを浸透させているため防水性も抜群」との事で、迷わずこの屋根材を選びました。




屋根が付いたミニログ内で妻と二人、夕食〜宴会〜気付けば寝袋に包まって寝ていました。

しかし、翌朝目を覚ました時に見える天井は垂木とコンパネがむき出しのままで、寝袋から出ればブルーシートの上。

「ミニログを快適空間にしないとね!」


ミニログの内装


天井は断熱材を貼って石膏ボードを貼り、そのつなぎ目をパテ埋め。


 

石膏ボードはカッターで切れ目さえ入れれば簡単に折れるので、配線部分の加工も簡単。

仕上には壁紙を貼りましたが、この作業は一人ではできないので妻にも手伝って貰いました。




電気が予定通り開通していたので、エアコン取付工事なども行って貰いました。

エアコン・電灯・電子レンジが使えるようになり、ミニログ生活も急に便利になりました。

続いて床作業。

床はもう一枚コンパネを貼り、溝をパテで埋めた後、専用の接着剤を塗ってCFシートを貼ります。(この作業は妻が担当)


 

その間、私は点検口の仕上げ。

点検口=床下収納として、基作成時に内側の床を少し掘り下げて貰っていました。(ペットボトルの飲み水&お茶、ビールなど収納予定)

最後に、床と壁、天井と壁の隙間を巾木で塞いで完成!

そして、恒例の夕飯&宴会〜

白い床の上で、持ち込んだソファー(セミダブルベッドにもなる)に座り、明るい電灯の下で現地で買った新鮮な野菜や鮮魚をおつまみに冷えたビールで乾杯!

宴会が終われば、念願だったベッドの上での睡眠・・・ZZZ zzz


完成したミニログ




玄関ドアは新しく作りました。

通風を考えて、新しいドアにはスライド式の窓を設置。(網戸付き)


 

6畳という狭さのため、TVもスペースを取らないようにプロジェクターでスクリーン投影するようにしました。




プロジェクターは昔使っていたもので、ここに地デジ対応チューナーとDVDプレイヤーを繋ぎ、TVとDVDを見れるようにしました。
(アンテナは通販で安く購入したものを自分で取り付)




ミニログには、大好きな景観を眺めるために大きめの窓を付けました。

「富士山の向こう側に沈んで行く真っ赤な夕日を眺めながら一杯やりたいね!」

ということで、この窓際には手作りのカウンターテーブル。

カウンター用椅子は自宅で使っていた古いもので、妻が座面の生地を貼り換え、金属部を研磨剤で磨けば、新品の椅子に早変わり!

その後、小型冷蔵庫・IHコンロ・電気ケトル・コタツ(夏はテーブルになる)を購入したため、簡単な料理ならミニログでもOK!

更に食器類も置いておきたく、丁度良いサイズの食器棚もGET!

ミニログが益々快適空間になりました。


ご近所さん達の来訪


ミニログ建築中、家の前を通る車の殆どが最徐行をして興味津々で私達の作業を見ながら取り過ぎるようになりました。




「ご自分達で作られてるんですか?別荘ですか?」
「何れちゃんとしたログハウスを建てて移住を予定してます!」

「素敵な家になりましたね。ログハウスの完成ですね」
「いいえ、本物のログハウスはまだ先でして、これはただの掘っ建て小屋です」

"ログハウスを自分達で建てている"とこの辺りで評判になっているらしく、様々な方達が声をかけて下さいました。

作業の手が止められる事もしばしばありましたが、逆にご近所に親しい友人が出来たり、今の自治会長さんもわざわざご挨拶に来てくれたり、ミニログセルフビルドのお陰で地域の方達と親密な関係になっていくのが嬉しかったです。

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