8. 病気で再認識した「ログハウス・セルフビルドの良さ」


主人の入院


2014年、主人は体調を悪くし、2月に入院しました。

「しばらくは作業出来ないかなぁ」
主人がログ雑誌『夢の丸太小屋に暮らす』を病室に持ち込んでペラペラとページをめくっていたのを覚えています。

すぐ治療ではなく、2〜3日は検査で一日が終わりました。

すると、あの2月の大雪騒動です。
雪国の方々には大したことない騒動でしたが、雪に慣れていない地域では 大事件です。

主人のベッドは窓際でした。
どんどん積もる雪をずっと眺めては
「ログハウス 大丈夫かなぁ…。東京でこんなに積もるのだから、長野はきっと 雪で埋れてしまうかも。」
と自分の心配を全くしない主人に少し呆れましたが。


セルフビルド再開


5月末に治療を終え、月1〜2回長野のログハウス現場を訪れ、コツコツと作業しました。

自宅からは車で約2時間半かかりますが、病み上がりにもかかわらず、キツイ治療から解放されてうれしかったようで、嬉々として運転していました。


 

この際だからと電気屋さんに来ていただき、各部屋、廊下、玄関に照明器具を取り付けてもらいました。




 

そして、御手洗いの引き戸も完成しました。



結構難しく、微妙にズレが生じて、あーでもない、こーでもない、と時間ばかりかかりました。

ズレてしまうと、スムーズに引き戸の開閉が出来ないのです。
「キチンと測ったのにねぇ〜」と呟いてばかり。

ですが、進まない分、主人の体力は確実に回復して、今ではすっかり元通りです。

でも病院とは縁が切れず、「2ヶ月に1度検査のため通院しなきゃいけない」 と本人はブツブツ文句言っていますが …

主人が治療が終わったばかりの頃、まだインパクトドライバーが持てず、仕方なしに電気屋さんの作業を手伝っていたときのことです。

夕方電気屋さんを玄関まで見送り、部屋に戻るやいなや「ログハウスは気持ちいいよね。」としみじみ言いました。

考えてみれば、窓を大きくして風通しをよくすればクーラーは要りません。
我が家は平屋建てで、夏は本当に涼しいのです。

そして、木の香りです。

大病すると、クーラー特有のカビ臭さがものすごく気になるようでした。
ログハウス全体がアロマテラピー、癒しの効果があります。

「セルフビルドをやってみて良かった」と改めて思いました。


ボイラーの破損


2014年はいろいろあった年で、主人の闘病だけでなく、親の介護もありました。
だから私からは「長野へ行こう」とは言いませんでした。

ですが、さすがの主人もクリスマス前に長野に雪が降ったので心配になり、暮れも押し迫った12月27日にログハウスの様子を見に行きました。

(現場のある佐久市では「クリスマス前に雪が降ると、その冬はドカ雪が降る」と言われているので)

すると、石油ボイラーの接合部から水がポタポタ …

嫌な予感がしたので、水道屋さんに来ていただきました。

すると、「ありゃあ〜、ボイラーやられちゃったよ!もう年末年始だから、ボイラー交換は年明けになっちゃうよ!」

とりあえず水だけ止めてもらいましたが、水道屋さんは「お水は出せるけれど お湯出ないからねぇ〜」と。

その夜、年末の極寒の中、嫌な顔ひとつせず点検にいらした水道屋さんに感謝しつつ、薪ストーブの前で暖をとりながら、いかに今年がついていないか語り合う私達夫婦でした。

ボイラー交換は翌1月末に無事終了しました。

水道屋さんに「新年早々大変でしたね」と同情され、(お正月に主人の母が亡くなったこともあり)
「もし、秋から冬にかけて長期間留守でしたら、私達がボイラーの水抜きをしておいてあげますよ」と優しい言葉をいただき、思わず感謝しました。

(「水抜き」を忘れたのが破損の原因でした)


周囲に感謝する日々


主人は治療中に、沢山の方々に支えられました。

病院の先生方を始め、同じ病室に入院していた方ともお友達にもなり、励まし合いました。

主人の勤務先の方々も様子を見にきて、心配してくださいました。

実は、会社関係でも同じ病気を患った方がいました。
約10年前に治療したそうです。
その方から「一時的なので買わなくてもいいよ」と当時使用していた帽子を いくつかいただきました。よく見るとイタリア製のブランド品でした。

病気をして、人間関係の大切さを改めて身にしみたそうです。

私は、食事に気をつかいました。
治療するたびに、一週間ほど味覚障害がでるのです。
薄味で繊細な食事を嫌がり、辛いものや味が濃いものならかろうじて喉を通りました。

辛いものと言えばカレーですが、市販されているカレールーはどうもイマイチで、デパートのスパイス専門店で何種類がスパイスを買い込み、自宅で色々試しました。

やがて、生姜、ニンニクを多めに配合すると良いことがわかりました。

そして、それらは何と、佐久平の農産物直売所で大変安く売られていました。
この時は本当に「ログハウスを建てて良かった」と思いました。

ログハウス建てている合間に食材探しもしました。
お味噌、お醤油などの調味料も農家の方手作りの品物が手に入りました。
身体に良いものが安く手に入る。これほど嬉しいことはありません。

主人も私も都会で生まれ育ってウン十年ですが、お金さえ払えば何でも手に入る環境でした。

ただそれは、一つの品物に対して輸送費や人件費が盛り込まれ、生鮮食品は鮮度が落ちるという有難くないおまけ付きです。

自然豊かな環境で地産地消ということがどれだけ大切なことか、改めて実感しました。

そして…「食」ときたら「住」、つまりログハウスです。
本当に有難かったです。

病気に限らず人は辛いことがあると、やはりリラックス出来る場所を求めます。木の香りはまさしく癒しです。

大規模病院は無理かもしれませんが、いわゆる 診療所ではもっと木をふんだんに取り入れた設計にしても良いのではと私は思うのです。

水周りは厳しいとしても、せめて待合室ぐらいは…と。

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