フィンランドの板材。

先日、あるログハウスを 訪れたときのこと、

「雪が降る前に なんとか格好がつきました!」 と、とても嬉しそうなオーナーさん。

早速 内部を拝見。 まずは ロフトから ・・・

あれ? なんか変ですねぇ??

あ!床板の表面と裏面が 逆に張ってありますね。

「これじゃ、溝ができて 歩いたときに 違和感があるでしょう?」 と言うと

「この溝はデザインだと思っていた・・・」 とのこと。

このお宅は 雪が降る前に何とか引越しを終えたい、ということで 内装部分を地元の大工さんに依頼されていました。

日本で 天井や壁、床板などを張る場合は、

一般的に 木表(樹皮に近い側)を表側にして張るのが常識 と考えられていますが

フィンランドの板材は 日本で言うところの 木裏(樹芯側)を表側にして張ることが多いのです。(一部例外もあり)

建築経験が無く、 セルフビルドで作業をしている方は マニュアルなどの資料をしっかり読んだり、

疑問点は問い合わせてくれるので 心配ないのですが、

大工さん任せの場合は マニュアルや部材形状表などを確認せず、今までの経験で仕事を進めることが多いので

このようなことが 時々起こります。

中には 床板だけではなく 天井板も表裏逆に取り付けてしまった、 などということも・・・。

フィンランドのログハウスは あくまで 外国のログキット、ログ部材なのです。

日本の建築なら 板材をこのように使う、 この場面ではこのようにする・・・ などの先入観なしで仕事を進めたなら

板材の表裏を逆に張ってしまうことも ないんですけどねぇ。

 下の写真は 左側が 1階床板で、 右側が ロフト床板 の使い方です。

1階の床板は 表面がフラットで 裏面は中央部分がやや凹んでいます。

ロフト部分の床板は 1階床板より幅広で、 やはり表面がフラットで 裏面は面取りがされています。

 

年輪をみると 木裏(樹芯側)が表面になっていますね。 これがフィンランド流、 日本とは反対なのです。

 

                                          1階床板          ロフト床板

・・・ということで、 床板は 1階、 ロフト共に 足が接する面を フラットに張るのが正解。

*2013年からロフト床板は1階床板と同じ床板を使う仕様に変更になりました。

[ ログハウス徒然草 10.11.16 ]      Kiitos Log House