トチの実

今年は ドングリなど 山の実りが不作のようで、 街に下りてきた熊の話題が 連日 メディアを賑わせている。

そういえば 週末を過ごすログハウス周辺の森でも 今年は ドングリをみかけない。

例年なら この時期 庭仕事をしていると ポトッ!ポトッ! と ドングリが木から落ちる音がする

テレビの自然番組などで 時々見ることがある あの光景だ。

あれは 番組が 効果音として脚色した音かと思っていたが 本当に 音がするのである。

 しかし 今年は あの ポトッ! という音がしない、 つまり ドングリがならなかった ということなのだろう。

今年は 異常気象だったうえに 大規模な「ナラ枯れ」などで ドングリが不作なのかもしれない。

このまえ 森を歩いていた時に トチの実を見つけた、

山里の名物 「栃餅」 になる あの栃の実だ。 

見かけは クリのようで 見るからにおいしそうだが

強い渋のため 食べられるようになるまでには

手間と時間をかけて 渋抜きしなければならない。

だから 野生動物たちにも 人気がないとかで

先日出会った山の民は 

 「本当かどうかわからないけれど、 この辺では 『熊はトチを食べない』 と言うんだ 」 と話してくれた。

でも 落ちているトチの実は 中身が何者かに持ち去られて 殻だけになったものも多い。

いったい 誰が 持って行くのだろうか、 どうも トチの実を集めるのは 人間だけではなさそうである。

運んだトチを 動物たちも貯食して 食べ物が乏しくなった厳冬期に 渋が強くても仕方なく 食べるのだろうか。

自然界の不思議や いろいろな疑問が 次から次へと わいてきて 森の暮らしは 奥が深いな・・・

[ ログハウスで自然暮らし 10.10.26 ]      Kiitos Log House