クモの巣の上で

 

ログハウスの外で ネットを張り巡らして 獲物を待つ 一匹の大きなクモを 見つけた。

巣の上では 糸でぐるぐる巻きにされた 昆虫らしきものが

動かずに 静かに ぶらさがっていた。

動いているのは 大きな そのクモだけだった。

翌日 巣の上で 二つの影が 動いた。

もう一匹、 小さなクモが いるのだ。

巣の持ち主以外で ネットの上を 自由に移動する光景は

ちょっと珍しく しばらく 見入ってしまった。

二匹のクモは 仲良く 巣の上で過ごしている。 カップル成立 だろうか。

そういえば 昔、 雄クモは 命がけで 恋を成就すると 聞いたことがある。

でも 彼らは 一緒に 仲良く 過ごしているように 見えた。

数日後、 巣に目をやった。 巣の上には いつものように 大きなクモが 一匹、

小さなクモは 恋の達成後に 姿を消したようだ。

巣から 目を離そうとしたとき、 巣の片隅に ひっかかっている 小さなクモのミイラが 目に入った。

ミイラは あの時の 小さなクモなのだろうか?   自然界で 生きるのは 大変そうだ。

[ ログハウスで自然暮らし 09.10.08 ]