28.セルフで建物登記に挑戦!

 

ログハウスGP-67をセルフビルドして10年余り、

「セルフビルドに終わりはない・・・」と思っていましたが、66歳となり相続とか考えると「建物登記については明確にしておいた方がよいかな?」という気になってきました。

登記については、法務省のオンライン登記の手続き(「申請用統合ソフト」)が使用出来るようになり、千葉の自宅から福島のログハウスの登記が出来そうだと思いオンラインでの建物表題登記と所有権保存登記を行いました。

ちなみに現時点では、「個人でオンライン登記する人は、ほとんどいません」との法務局の担当者さんの話でした。

おや、どこかで聞いた言葉?

セルフビルダーの皆さんは、セルフビルドするときに、同じようなことを言われた経験があるのではないでしょうか(^O^)

今回のオンライン登記では、細かな訂正で郵便での書類提出が多発し時間がかかりました。

結論としては、担当法務局が近くにあるのでしたら始めに登記相談に行っていろいろ指導を受けるのが良いかと思います。

また、登記識別情報(以前の登記簿)も書類で保管したい場合は、法務局に行かなければならないので、2〜3回法務局に行くつもりで書類での登記が簡単で早いと思います(^。^;)

それでもオンライン登記を検討している方には、以下の記事が一助になれば幸甚です。

 

1.オンライン登記のまとめ


1)オンライン登記に使う「申請用統合ソフト」で提出できるのは「登記申請書」と電子署名した添付資料のみです。

近隣地図など参考資料もPDFなどで添付できますが。
(添付資料の電子署名には結構高価なアクロバットリーダーが必要なので、上申書など実印を押した物は印鑑証明書を添付した方が安上がりです)


2)表題登記で肝心の平面図・建物図面(B4版) (間取図とは別物です)

紙での提出が必要とのことなので、結局は郵送または持参による書類提出が必要です。

私は、平面図の細かな不具合で3回郵送するはめになりました。
(役所の電子化まだまだですね〜(^^;))

一番効率的なのは、申請書をオンライン提出した後、添付書類を法務局に持参し修正点の指導(補正という)を受けて、補正後に資料を郵送。審査終了後に登記識別情報と原本還付資料を法務局に取りに行く、という方法が良いのかな〜と思います。

登記簿になる、登記識別情報通知は、相続とか考えるとやはり紙ベースで保管しておいた方が相続手続きには、便利かもしれません。


3)「申請用統合ソフト」では、申請書の提出から修正点の指摘や免許税支払いなど、 法務局に行かなくても審査の経過把握が「処理状況表示画面」でわかるのと、 各フェーズで通知メールが来るので、この点は大変便利です。

オンラインも土日祝日を除いて、8:30〜21:00まで利用可能です。


4)物件の引き渡し証明がないセルフビルドでは、「確かに私が作りました」ということを証明するための「上申書」の提出が必要となります。

(作成は手間ですが、セルフビルドした充実感を再確認できる書類でもあります)


5)当然、家屋調査士や司法書士への支払いはありません。
(浮いたお金は、ログハウスのバージョンアップに使えます(^^)v)


6)以下、平面図・建物図面(B4版)と上申書の参考資料です。

・各階平面図・建物図面フォーム( PDF

・各階平面図・建物図面記入例( PDF

・各階平面図記入例( PDF
   ※法務局で教えてもらった書き方です

・上申書のサンプル( PDF


2.準備


法務省の「オンライン登記申請のかんたん事前準備ガイド」を参照ください。

1) ハードウエア

・パソコンとインターネット接続環境

・ICカードリーダー(マイナンバーカードによる申請書署名に必要です)

・プリンター(提出書類の平面図・建物図面はB4版ですが、A4対応でも大丈夫です。A4印刷しフォームに切り貼りして、コンビニのコピー機でB4等倍コピーしました)


2) ソフトウエア

・法務局のホームページから「申請用統合ソフト」をダウンロードしセットアップします。 ( PDF )

※私は、Windouws10版をダウンロードしました。

・ID、パスワードの設定、通知用メールアドレス登録が必要  

・電子署名用のプラグイン設定(ガイドブックに手順あります)

・CADソフト
平面図・建物図面作成に使用。
私は、無償のJWW−CADを使っていたのでこれを使用。
JWW―CADはA版サイズしかサポートしてないので、役所のB4版は印刷できません。(EXCELやパワーポイントで作成する方もいますが難しそうです)

・登録免許税の支払時にネットバンキングを使います。


3.添付書類の作成


準備 オンラインで申請書を作成する前に「平面図・建物図面(B4版)」や添付資料を先に作成、準備する方が申請書作成は楽です。

1) 各階平面図

・建物図面 これが最も重要視される書類ですが、残念ながら紙ベースしか受け付けてくれません。私は、郵送で行いました。 (平面図作成での注意点)

・縮尺は、1/250、建物の四方の辺長にメートル単位での寸法記入必要。

・求積表は、有効数字で合算後、小数点以下2桁でu数表示、3桁目は切り捨て  

・ロフトが1.4u以上は2階と見なされます(GP-67は2階建となります)
(建物図面作成での注意点)  

・縮尺は、1/500、建物の隣地境界からの距離を全て記入
 (この図面に基づき、実際に法務局の担当者が実測に来ます)  

・隣接地の地番を記入する(隣接道路に地番が設定されている場合がありますの で注意必要。
事前に法務局に確認した方が良いです。(私は、これで再提出となりました)

・方位を表示する(これが記入漏れで再々提出しました) (全体での注意)  

・所在では、住所を○○県○○町○丁目○○番地○と住民票の通り記入しますが  

・家屋番号は、○○番○ と「地」は付きません(これで再提出しました)

・A4用紙に平面図、建物図をそれぞれ印刷し、B4版の記入用紙に、ハサミと ノリで切り貼りします。
それをコンビニコピー機でB4等倍コピーしました。

最初、A4版で作成しB4に拡大コピーしたところ縮尺が変わり(当たり前で すが)これも再提出となりました。      

・不明点については、法務局に事前に確認してください。
親切に教えてくれます。


2) 所有権証明情報の提出 ・上申書 業者からの引き渡し証明書がないセルフビルドの場合必要です。

電子署名後に 添付するか、実印押印し印鑑証明添付するか、後者の方が安上がりです。

・固定資産税納税通知書兼領収書(原本還付手続きで登記完了後返却される)

・公共料金請求書(電気・ガス・水道など)(原本還付あり)


3) 住所証明書(住民票)の提出(原本還付あり)


4) 提出書類の原本は、原本還付されます。

原本還付の手続きを忘れ、原本のみ提出しましたが、法務局で原本コピーをしてもらって助かりました。

昔と比べて、法務局の対応が良くなっている気がします(^^;)

 


4.オンライン登記申請の手順(表題登記)


「申請用統合ソフト」の処理状況表示画面の「申請書作成」を選びプルダウンメニューより以下を選択します。




入力は、全て全角です。

表題登記では、登録免許税はかかりません(無料)。

表題登記完了後に権利の保存登記で登録免許税の納付が必要となります。

1)申請書の作成 記入上の注意点

・申請書の情報:
 件名(必須):「ログハウス登記」など自分の管理しやすい件名を入力。

・納付情報:氏名または法人団体名 全角カナで氏名入力

・登記の目的:建物表題登記

・添付資料:
各階平面図 建物図面(郵送)
所有権証明情報(固定資産税納税通知書兼領収書、公共料金請求書、上申書、印鑑証明)(郵送)
住所証明情報(住民票)(郵送)

・申請日:作成日が自動で入ります 。

・申請先登記所:プルダウンメニューから選びます。

・申請者情報:
住所
氏名
連絡先の電話番号(携帯電話番号でもOK)

・所在:
○○県○○町○丁目○○番地○(土地が1筆の場合)
○○県○○町○丁目○○番地○、○○番地△(土地が2筆ある場合)

・家屋番号:○○番○(「地」は入れない)

・建物図面及び各階平面図符号:建物が1つの場合、空欄でもOK。
複数の場合、主な居宅は「1」
      物置 符号1。
      車庫 符号2。といった感じで採番します。
(平面図建物図面上の表示と整合性とれるようにします)

・登記完了証の交付方法:せっかくなので「オンラインによる交付」を選択。

・種類:居宅、物置、車庫など(私の場合ログハウスは「居宅」)

・構造:木造合金メッキ鋼板ぶき2階建
(建築確認申請では、「木造丸太組構造」でしたのでそのまま記入したら、上記のように修正(補正)されました。
「ぶき」はひらがな、「建て」は「建」でなければいけないそうです。
なんだかな〜(*_*))

・床面積:1階 52.99、2階 32.42
(私の場合、GP-67の1階に2坪の外付けバストイレを付け加えています)

・原因及びその日付:令和○年○○月○○日新築
(セルフビルドだと完成日は難しいですが、割り切って結婚記念日としました)

以上、入力後「○完了」ボタンをクリックして申請書内容を保存します。  

入力漏れや半角文字のチェックが入ります。

・添付ファイルの添付:
・処理状況表示画面の「ファイル添付」をクリックし案内に沿って添付します。
・近隣地図(GoogleMapで近隣表示し画面をPDFにして添付しました)

・その他の郵送予定の資料も一通りPDFにして添付しました。
平面図や建物図面の修正点(補正)が郵送前に指摘してもらえるので、ある程度確実な物を郵送することが出来ると思います。

2)送信前の準備(1の申請書に電子署名を行う)

・処理状況表示画面の「署名付与」をクリックし案内に沿って署名します。

・パソコンにICカードリーダーをつなげてマイナンバーカードをセットします。(マイナンバーカードの署名用パスワード入力が必要です)

3)申請書類の送信

・処理状況表示画面の「申請データ送信」をクリックし フォームチェック
OKならダメ元で1回送ってしまうのが良いと思います。

問題あれば、法務局の担当者(登記完了まで同じ担当が対応します)から電話や補正のお知らせメールが届きます。

4)処理状況の確認 送信後、すぐに受付通知がメールされます。
差出人:sys-info





5.処理状況の確認


・「処理状況表示画面」で申請書の処理状況、到着、受付確認、補正、お知らせ、公文書、納付について確認ができます。

・各フェーズごとにお知らせのメールが届きますので、メールが来たら「申請用統合ソフト」にログインして「処理状況表示画面」を見て詳細確認していきます。

補正があれば「補正」し、再度「署名付与」し、「申請データ送信」をします。

件名の頭に【補正】が自動付きます。
補正2度目だと【補正】【補正】です(^^;)





6.登記完了


審査後、審査OKとなると「公文書」が発行されその旨メールが来ます。

「公文書」をクリックすると「登記完了証(電子申請)」の書面が表示出来るので、印刷して保管しました。

表題登記完了 ヤッター!(^^)!





7.オンライン登記申請の手順(所有権保存登記)


・申請書フォームは、登記申請書(権利に関する登記)

(1)所有家の保存【署名要】




・以下、所有権の保存登記の手順1)〜4)は、表題登記とほぼ同じですが、申請書への課税価格と登録免許税の記入(ここだけ半角数字入力)と 5)登録免許税の支払い「納付」が追加になります。

1) オンラインでの申請書作成

・表題登記完了証に不動産番号が付与されますので、この番号で表題登記済の情報を申請書に取り込むことが出来ます。

・添付資料は、住民票のみ郵送しました。

・課税価格
(不明点は、法務局にご相談ください。親切に対応してくれます)

・固定資産税を納税している場合は、評価額を使います。
千円未満切り捨て。
(例)課税評価額 1,234,560円→1,234,000円

・評価額が定まっていない場合(詳細は法務局問い合わせが良いです)

・建物の種類によりuあたりの評価額が異なります。

以下、車庫の例
木造合金メッキ鋼板ぶき平家建のuあたり評価価格×床面積u×経年償却率
(例)53,000円/u×40u×0.70(3年経過)=1,484,000円

・登録免許税

・評価額の4/1000の額

・百円未満切り捨て
(例)1,484,000×4/1000=5,936 → 5,900円

2) 送信前の準備 
作成した申請書に「署名付与」を行う

3) 申請書類の送信 「申請データ送信」

4) 処理状況の確認

5) 登記免許税の支払い

申請書が受け付けられると登録免許税の納付要求の通知メールが来ます。




「申請用統合ソフト」の「処理状況表示画面」の「納付」欄がクリックできる ようになり、納付期限年月日が表示されていれば、納付をクリックしメニューに従い自身のオンラインバンキングにログインし免許税の納付手続きを行います。




6) 登記識別情報(以前の登記簿)の受け取りについて

先にも書きましたが、法務局の担当者からのお勧めもあり、紙で受け取りました。

これにて、無事登記完了です! (^^)!

以上、登記顛末記でした。




※浮いたお金で、エクステリア整備 (^_^)ノ

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