8.10年後のメンテナンス


建築して10年


2012年にログハウスを建ててからもうすぐ10年を迎えます。

当時、ログ組みから屋根施工まではキートスさんにお願いし、建具や内装等は地元大工さんに頼みました。

自分でやったことは、36uのテラスと2階バルコニーの床張り、外壁塗装と家具作りです。

家具は下駄箱・ダイニングテーブル・バーベキューテーブル・ベンチ・食器棚・サイドボード・食料品庫・テレビ台、小さなものでは化粧BOX・トイレのペーパーホルダー・変わりティッシュボックス等々ログハウスの残材を使いすべて手作りしました。

購入した家具はIKEAで買った2客のロッキングチェアのみです。




孫たちも7人に増え、年末年始・春休み・ゴールデンウィーク・夏休みと全員集合すると15人の民宿状態。

薪ストーブを使った煮込み料理、ピザ焼き、そして夏のバーベキューは定番の楽しみになっています。

またご近所さんとの食事会、夫婦で庭いじり、一人で趣味のラジコン基地にといろいろ楽しみ、コロナ禍の前までは年の半分をログハウスで過ごしていました。



[ 設計図から自作したラジコン ]
実機の1/5サイズ飛行機に
1/5サイズの私(人形)が搭乗


[ ヤマツツジ開花時期(5月下旬) ]
土地に元々あった株を移植

ここは自然豊富なので、野生の猿・鹿・リス・キジたちと共生しています。

テラスで大工仕事をしていると、猿の家族が見学に来ます。

東京に戻っている間、テラス下は小鹿のねぐらになっているようです。

良い天気の朝はテラスで朝食をとり、こぼれたご飯は野鳥におすそ分け。

でも野生の友だちが身近にいるので、家庭菜園は残念ながら楽しめません。
私より彼らのほうが少々早く作物を食べごろと考えるので。


足場の設置


私はものをつくることだけでなく、ものを長持ちさせるためのメンテナンスも大好きです。

新築時にログハウスの外壁はキシラデコールを4回塗りましたが、その後3年目にテラスのみ2回再塗装、4年目に足場を組んで3回塗り、7年目には再度テラスのみ2回塗りいたしました。

今回の塗装前にすでに外壁は7回、テラスは11回塗っています。

前回の外壁塗装から5年ほど経過し屋根の汚れも目立ちだしたので、withコロナ生活開始で家族が集合する前にきれいにしておこうと、足場を頼み作業を開始しました。



[ 足場設置 ]


前回再塗装時の失敗


前回、外壁塗装を開始して初めての雨の日、3か所の窓建具から雨漏りが始まりました。

建ててから3年、豪雨にも何度かさらされましたがびくともしなかったログハウスで雨漏りです。

屋内建具の端からログを通って床に水が滴り落ちるという現象です。

「きれいな木肌にしみがついては大変!」と大量の雑巾を用意し、雨降りの間中拭き掃除をしました。

一方でキートスさんに電話し、考えられる対策を打ちました。

屋外の建具化粧板を外し、防水テープを貼り換えたり、窓枠の水はけを良くしたりいたしましたが、しとしと雨が降るだけで建具周りから水が染み出す現象は変わりませんでした。

2度目にキートスさんに電話し、アドバイスを受けて電話を切る直前「高圧洗浄し、外壁塗装を開始してきれいになったところですが・・・」と話したところ、「100%原因はそれです!」との力強いお言葉。

塗装の前にログの汚れを落とそうと、普段テラス掃除や洗車に使っている高圧洗浄機で念入りに洗いました。
特に窓周りはガラスも含めて、普段タイヤホイールを洗う最強の噴射で洗いました。

キートスさんによると「ログハウスを高圧洗浄するとログの隙間を高圧水がこじ開け水の通り道を作ってしまい、乾くまでは少しの雨が降っただけでも通り道を伝わって水が浸入する」とのこと。

さらに「一旦通り道が乾いてしまえば元通りになる。屋内建具を外した状態で1か月くらい乾かせば直るでしょう」と。

そのお言葉通り、梅雨明け1か月ほどたった後はぴたりと止まり、その後の激しい雷雨でもまったく問題ありませんでした。

大量の雑巾で拭き掃除したかいありシミも残らず、ほっとしています。

教訓!「ログハウスは決して高圧洗浄してはいけません!」


屋根掃除


屋根の黒ずみが気になりだした時にキートスさんに問い合わせをしたところ、「水洗いだけでもきれいになるだろう」とのアドバイスを頂きました。

今回は屋根足場も作りました。

初めての屋根足場で、地下足袋をはき、ヘルメット・安全帯を装着し緊張して作業を行いました。

前述の経験から高圧洗浄機など使わず、水でやさしく濡らし亀の子たわしで掃除いたしました。

南面は汚れなく掃除不要で、北面のみ樹液とホコリの汚れがこびりついていました。



[ 洗浄前 ]

太陽の光による乾燥度合いも汚れに差が出たようです。

掃除前と後の写真をご覧いただくとお判りの通り、見違えるほどきれいになりました。



[ 洗浄後 ]

キートスさん手配のフィンランドカラー鉄板には、さび等の損傷は一か所もありませんでした。


ダメージ補修


建てて10年ほどたちましたが、素材の良さとメンテナンスの良さが相まってか、ログハウス本体は全く損傷ありませんでした。

唯一補修が必要な個所はテラスの手すり笠木部分でした。

ひび割れ箇所から雨が侵入し内部が腐り、外から触るとふかふかした感じの場所が2か所ほどあり、ひび割れたダメージ予備軍が数か所ありました。



[ テラス手すり笠木 修復前 ]

ひび割れ部分から、木部補修材(アサヒペン製)をコーキングガンで注入しました。

さらに予防のため笠木の上面全体に塗布し、ステンレスヘラで平にした後、240番の電動サンダーで磨き、キシラデコールを3回塗りいたしました。



[ 修復後 ]

色のりもよく、きれいに仕上がりました。


外壁の洗い


 

前述の通り、前回再塗装時には高圧洗浄機でログ表面の汚れを取ろうとして大失敗いたしました。

今回は屋根の洗いを行って大変きれいになることが判り、ログ表面も丁寧に水洗いしてみました。



[ ログ 洗い前 ]


[ ログ 洗い後 (塗装前) ]

写真の通り、水洗いだけで塗り直ししたかと見間違うほどきれいになりました。

手間はかかりますが、塗装の前処理としての水洗いはおすすめです。

シャワーで水をかけてしばらく置き、亀の子たわしでそっと擦りたっぷりの水で汚れを流しました。

「そっと擦り」と書きましたが、外壁並びに屋根掃除で大型の亀の子たわし3つが使い潰れました。


室内床の大掃除


実は2年程前に室内床の再塗装をしました。

新築時、床は「キヌカ」という米ぬかオイルを塗りました。

その後黒く使用感が目立つようになったので、自己流で磨いてみました。

1. スポンジに水を含ませ、床板3枚・長さ1mくらいたっぷり濡らす。

2. メラミンスポンジ(激落ちくん等)で磨く。スポンジが汚れたら新しいものにどんどん変える。

3. 乾いたぞうきんで拭き上げる。

4. 2日ほど乾かした後、キヌカを二度塗り。



[上半分が洗浄後 (キヌカ塗布前) ]

写真の通り、洗浄後は新築同様になりました。 

この時も、ログハウスの1階部分だけで近所の百均で買い占めたスポンジ7袋すべて使い切りました。


外壁再塗装


キシラデコールは1回目の塗り、2回目、3回目で全く表情が変わります。

1回目は木部に吸い込まれ、充分乾燥(24時間以上)させた後2回目を塗ると風合いが良くなり、さらに2〜3日間ほど乾かしてから3回目を塗ると塗料は驚くほど少しの量でよくのび、まさに仕上げを施したという感じになります。

この感じがたまらず、ついつい塗装したくなってしまいます。
結果10年間で、外壁は10回、テラスは14回塗ってしまいました。




隔年でストーブと煙突掃除をお願いしているストーブ屋さんから「少し過保護じゃないですか」と笑われています。

ストーブ屋さんもログハウスにお住まいですが、新築以来20年以上塗装はしてないとのこと、「風雨にさらされて灰色っぽくなるのも味があり、木材が『頑張らなくては』と思い強くなるのでは」というお考えのようです。

70歳になり、足場の上がり降りで体力が落ちたことを痛感するようになった現在、今後は重ね塗りの変化の楽しみはテラスだけとして、ログハウス本体は木材の自力抵抗力に任せようかと考え始めました。




GP-88ミニチュアポストも再塗装





それにしても手をかけただけ愛着が増すログハウスですよねぇ。




手作りリースの「Tervetuloa」はフィンランド語の「Welcome」

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