キートス・ログハウスキット GP-56

夢のログハウス建築を目指して

[福島県・田村市]


田舎暮らしのスタート


夢のログハウス建築を目指して、東京都八王子市から福島県船引町(現: 田村市)へ移住したのは2004年4月の終わり、私が54才、妻が46才の時でした。

鎌倉山の麓、北斜面のこの場所は朝夕の冷え込みが予想以上で、ここだけ冬が残っているようでした。



写真は1998年5月、土地を購入して間もない頃です。
連休を利用して草刈に来ました。

土地はススキとクマザサが生い茂るなだらかな傾斜地で、広さは約5000uです。

その頃はオートキャンプして、帰りは温泉に入って八王子に帰る・・・
そんな楽しみ方をしていました。


 

向こうの杉林まで自分の土地なので、都会の生活に比べると別世界です。

とりあえず 物置を作り、この中に草刈道具とかを収納しました。

何もない草原はとても気持ちがよく、ストレスもどこかへ消えていくような感じでした。




会社の休日を利用して、13uほどの小屋を建てていました。

それはログハウス建築のための住居で、未完成ではありましたが、移住時にはとりあえず住める状態にはなっていました。

引越で運んだ家財をその屋根裏スペースに押し込んみ、田舎暮らしを始めました。




まだ電気も引けていなかった一ヶ月間は発電機を動かして炊飯、携帯ガスコンロで調理、豆炭コタツ、ローソクの灯り、沢水の利用、雨水はポリタンクにためて工事用に使用・・・

毎日がキャンプ生活のようでした。


 

そして、とりあえずこの住居が完成した6月にログハウスを発注しました。


ログハウスキットの決定


ログハウスの部材キットをキートスから買うのは決めていましたが、最終的にGP-5 (現:GP-76)GP-4 (現:GP-56)かで迷いました。




妻と二人暮らしということもあり、セルフビルドしやすそうでふところにもやさしい「GP-4」に決定しました。


辛かった基礎工事


ログハウスキットの納品までには3ヶ月の期間があったので、整地・基礎工事を行いました。

斜面を切り崩しながら「一人でログハウスが建てられるのかな〜?」と少々不安になりながら整地作業もどうやら終わり、キートスからもらった図面に従って基礎の穴掘作業が始まりました。

900o×900o 深さ800oの穴を手造りの丸太ランマーで底固め。

石を敷き詰めて、そこに径13oの鉄筋で作った骨組みをのせ、フーチングの厚さが250oになるようにコンクリートを流し込み、数日後その上にボイド管をのせて再びコンクリートを流し込み、数日おいてからボイド管をとると、基礎の丸柱がきれいに並びました。

基礎工事でのトラブルは、5万円で購入したコンクリートミキサーが半日ももたず歯車の部分が破損。

結局 スクリュー付のかくはん用電気ドリルで コンクリ作りを行いました。

鉄筋は必要な長さを高速カッターで切断、悪天候の時などは室内で組立作業を行いました。

基礎の水平はレーザー光線付の水平器を使用、直角はコンパネ等を利用、対角線が均等になるように何度も計りなおし、土台をのせました。

つらかった基礎工事もなんとか終わり、少しホッとしました。


いよいよログ組み


2004年9月24日、フィンランドから ログハウスキットが到着しました。

まだ移住してそれほど月日がたっていないので地元に知り合いもなく、人手が必要な荷降ろし作業はキートスにお願いしました。

二次輸送中にトラックが路肩にはまるというアクシデントもありましたが、 今になればそれも良い思い出です。

ログキット搬入の翌日から、一人でのログ組み作業が始まりました。

単純作業が続きますが、一段ずつ組み上がるログを見ながら胸がワクワクします。

番号を合わせながらの作業は進みますが・・・ ここで失敗、
正面のログを逆に組んでしまったため、窓が図面とは反対になってしまいました。

「まぁ、こんなこともあるさ。ま〜 このままで いいか。」



ログハウスの外壁塗装中。

塗料は「キシラデコール」、色は「ピニー」


妻壁立て&棟上、屋根仕上げ


1階部分のログ組みが終了した後、妻壁の骨組みを左右半分ずつ造った状態でロフト中央にやぐらを組み、チェーンブロックで棟木を吊り上げて妻壁に納めた後、もう半分の妻壁も取り付け、妻壁の骨組みと同時に棟上が完成しました。

屋根のタル木は寸法どおりにカットされて支給されるので、図面に従って取り付けるだけです。


 

その上に石膏ボード、コンパネ、アルファルトルーフィング、アルファルトシングルの順で張り付けました。



このログハウスキットの屋根角度は45度です。

屋根下地コンパネの上は滑りやすく、うら底のやわらかな地下足袋で作業しました。

ザイルにぶらさがり状態で、釘打ち機がどんなにありがたったことか・・・

アスファルトルーフィング及びアスファルトシングルの接着には両面テープを使用し、そしてアスファルトルーフィングにはタッカー、アスファルトシングルには専用の釘でとめました。

太陽が真上にくる昼ごろ、アスファルトシングルは焼けるように熱くなってやわらかくなり、その上で作業すると体の重みでシングルが変形してしまいます。

カッターでもハサミでも簡単に加工できるアスファルトシングルは安価でとてもありがたい材料ですが、重ね張りや釘止めの箇所が多いなど作業時間が多くかかります。

あせらず一歩一歩、雨漏りしませんように・・・




足場用のパイプは 経済的なことやその後の使い方などを考えて、片側分だけを購入し、組みなおして使用しました。

天候に恵まれて作業は進みましたが、予定以上に日数がかかり、顔も日焼けで真っ黒になりました。

屋根工事も終わって作業後のビニールシート掛けが必要なくなり、雨の日の心配もなくなって、見た目もずっと家らしくなりました。


内装工事


ログハウスの屋根が完成した後、窓やドアなどの建具を取り付けてから内装作業に入りました。

厚さ100oの断熱材を床下、天井裏、そして妻壁に入れ、電気配線終了後に仕上げ板を貼っていきました。


ログハウス、ほぼ完成!








 

 

内部玄関も作りましたが、室内が狭くなってしまうので現在は取り払っています。





外付けバスルームの施工


ログハウスの本体があらかた出来上がった後、小屋正面とは逆側、つまり背面に風呂場・トイレなど水周りをまとめた8u程度の小屋を増築しました。




基礎は風呂場を除いてログハウス本体と同じ径250oの独立基礎、風呂場のみ布基礎です。

材料はログハウスキットの余り材を使い、足りない分は2×4材を購入しました。

棟木も余ったログの予備材などを使用。



ログハウス本体とのつなぎ部分の隙間から何度が雨漏りがして、その度にコーキング材を変えて雨漏り対策をしました。

ログハウス本体のセトリングも予想以上に大きく、「そんなことも影響したのかな〜」とも考えました。


給排水設備


給湯(台所及び風呂)と電気配線は地元の業者さんに依頼し、両方で40万円程 かかりました。




その他排水・給水は自分で行いました。


 

浴室もタイルと石を切って、自分で造りました。


ログハウスや外付けバスルームが完成して生活するには不自由がなくなりましたが、その後もいろいろと手を加えています。


ロフトの充実


ロフトを拡張し、収納庫も作って取り付けました。


 


階段の変更




簡易階段からL型タイプ に。


窓の増設とテラス拡張


1600ox1600o ペアガラスのアルミサッシを2ヶ所増設。


 


薪ストーブ設置




レンガで炉台を作成し、ストープを置いて煙突の取り付け。


家具の製作




下駄箱やその他家具の製作
(ほとんど2x4材利用)


 


1階天井施工


音の響き調整と天井を白く明るくする為、妻の希望もあって天井用ボードを施工。


購入した工具など


ログハウスのセルフビルドをされる方のために参考になるかもしれないので、私が買った工具類を書き出してみました。

・ ガソリン用の発電機
・ 12V インパクトドライバー・ 電気ドリル
・ 電気丸ノコ
・ コンプレッサー
・ 釘打ち機
・ レーザー光線付水平器
・ サンダー
・グラインダー
・ 大工道具一式
・ シャベル、ツルハシ etc



さいごに・・・


この土地を購入してから10年以上が経ちました。

クマザサとススキに覆われていた土地でしたが、
今はクリ・クヌギ・カエデ・サクラなどが大きく育ち、ミニ雑木林のような 庭になりました。

こうやって古い写真を眺めてみると、あらためて自然の力を見せ付けられたようで、考え深いものがありました。




ログハウス部材キットの搬入ではキートスのスタッフの皆さんにお世話になり、どうもありがとうございました。

間取りの打ち合わせなど担当のKさんにはいろいろとアドバイスをいただき、なんとかログハウスの夢をかなえることができました。

今後も少しずつ 手を加えていく予定ですから、これからも よろしくお願いいたします。




ログも品質が良く、5年経ってもほとんど割れもありません。

その点でもキートスに感謝しております。


キートス・ログハウス 〒950-2022 新潟市西区小針2-17-1 TEL 025-233-5005


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